カスタマーハラスメント、略してカスハラとは、顧客から受ける理不尽な要求や暴言、暴力などのことです。
サービス業に従事する人は、日常的にカスハラにさらされる可能性が高く、精神的なストレスやトラウマになることもあります。カスハラは、働く人の人権や尊厳を侵害する重大な問題ですが、なかなか解決されないのが現状です。
では、カスハラにどう対処すればいいのでしょうか?この記事では、カスハラをしやすい年代とカスハラの種類と対策について紹介します。
カスハラをしやすいのは男性!?年代は
カスハラをしやすい年代については、明確なデータはありませんが、一般的には40歳代から60歳代の男性が多いと言われています。
これは、この年代の男性が自分の権利や立場を強く主張する傾向があるため、サービス業の従業員に対しても過剰な要求や不当な言いがかりをつけやすいと考えられます。
また、この年代の男性は、若い世代に比べてスマートフォンやSNSの利用が少なく、クレームを言うことへの規範意識や抵抗感が低下していないという要因もあるかもしれません。
カスハラを受けやすい人とは
カスハラを受けやすい人の特徴については、心理学の研究によれば、以下のような傾向があると言われています。
- 人間関係に不満がある人
- 自己肯定感が低い人
- 顧客の要求に応えることが仕事の目的だと思っている人
- 対人スキルが不足している人
- 感情的になりやすい人
これらの特徴は、カスハラを受ける原因ではなく、結果としてカスハラに対処しにくくなる要因です。カスハラを受ける人は、自分の権利や尊厳を主張することが難しくなりがちです。また、カスハラを受けることで、これらの特徴がさらに強まる可能性もあります。
カスハラを受けやすい人は、自分の感情や価値観を大切にすることや、自分の仕事の目的や意義を見直すことが必要です。 また、カスハラに対処するための対人スキルやストレスマネジメントの方法を学ぶことも有効です。
カスハラの種類と対策
カスハラには、さまざまな種類がありますが、代表的なものは以下のように分類できます。
言葉によるカスハラ
言葉によるカスハラとは、顧客から受ける暴言や罵倒、脅迫、差別、セクハラなどのことです。例えば、「こんな店二度と来ない」「お前はクビになれ」「お前は日本人じゃないのか」「お前は男なのか女なのか」といった発言が該当します。言葉によるカスハラは、働く人の自尊心や自信を傷つけるだけでなく、精神的な苦痛や不安を引き起こすこともあります。
言葉によるカスハラに対処するには、以下のような方法があります。
- 顧客の言葉に反応しない。無視するか、冷静に対応する。
- 顧客の言葉を録音する。証拠として残すことができる。
- 上司や同僚に相談する。支援や助言を求める。
- 心理的なケアを受ける。カウンセリングやセラピーなどでストレスを解消する。
行動によるカスハラ
行動によるカスハラとは、顧客から受ける暴力や嫌がらせ、盗撮、ストーカーなどのことです。例えば、「物を投げつける」「触る」「つきまとう」「写真を撮る」といった行為が該当します。行動によるカスハラは、働く人の身体的な危険や恐怖を感じさせるだけでなく、トラウマになることもあります。
行動によるカスハラに対処するには、以下のような方法があります。
- 顧客の行動に抵抗する。拒否するか、逃げる。
- 顧客の行動を撮影する。証拠として残すことができる。
- 警察や保安に通報する。法的な措置をとる。
- 医療的なケアを受ける。怪我や病気の治療をする。
環境によるカスハラ
環境によるカスハラとは、顧客から受ける無理な要求やクレーム、長時間の待たせるなどのことです。例えば、「すぐに対応しろ」「細かいところまでチェックしろ」「ずっと話を聞いてろ」といった要求が該当します。環境によるカスハラは、働く人の負担や疲労を増やすだけでなく、ミスや事故を引き起こすこともあります。
環境によるカスハラに対処するには、以下のような方法があります。
- 顧客の要求に応じない。断るか、妥協する。
- 顧客の要求を記録する。証拠として残すことができる。
- 会社や組合に訴える。改善や補償を求める。
- 休息や休暇をとる。体力や気力を回復する。
まとめ
カスハラは、サービス業に従事する人にとって深刻な問題です。
カスハラには、言葉によるカスハラ、行動によるカスハラ、環境によるカスハラの3つの種類があります。カスハラに対処するには、顧客の言葉や行動に反応しない、証拠を残す、支援やケアを受けるなどの方法があります。
カスハラに負けないためには、自分の人権や尊厳を守ることが大切です。カスハラに悩むあなたに、少しでも力になれれば幸いです。