ゴーカートの暴走事故2歳男児が死亡、イベント関係者2人が書類送検された理由とは?

事故

事故の概要

2022年9月18日、北海道森町で開催されたゴーカートの試乗体験イベントで、悲惨な事故が発生しました。 小学生の女児が運転するゴーカートがコースを外れ、見物客の列に突っ込みました。

その結果、当時2歳の男児が死亡し、5歳の男児2人が重軽傷を負いました。 ゴーカートはイタリア製で、最高速度は時速70キロにも達するという高性能なものでした。

書類送検された2人の立場と疑い

この事故について、道警は2024年2月9日、業務上過失致死傷の疑いで、イベント主催会社の男性社員(44歳)と、コース設計などを委託された別会社の男性役員(45歳)の2人を函館地検に書類送検しました。 厳重処分を求める意見も添えられました。

書類送検された2人は、それぞれ以下のような立場と責任を負っていました。

  • 44歳の男性社員は、イベント主催会社の社員で、イベントを管理する立場にありました。 彼は、ゴーカートがコース外に逸脱する危険性を認識しながら、逸脱防止措置の指示を怠ったとされています。 具体的には、コースのカーブ部分にバリアやコーンなどを設置することや、運転者の年齢や経験に応じて速度を制限することなどが挙げられます。
  • 45歳の男性役員は、主催者からコース設計などの委託を受けた会社の役員で、コースを実質的に設営する立場にありました。 彼は、事故発生を未然に防ぐために、コース外周をバリアで囲うなどの対策を講じなかったとされています。 また、コースの幅や長さ、カーブの角度なども、ゴーカートの性能や安全性に配慮していなかったという指摘もあります。

事故の背景と問題点

この事故は、単なる運転ミスや機械故障ではなく、イベントの企画や運営における安全管理の不備が原因であると言えます。 以下に、事故の背景と問題点をいくつか挙げます。

  • イベントは、地元の自動車販売会社が主催し、ホテルの駐車場を借りて開催しました。 しかし、イベントの内容や規模に対して、十分な許可や協議が行われていなかったという報道もあります。 また、イベントの宣伝や告知も不十分で、参加者や見物客の数や属性も把握していなかったとされています。
  • イベントでは、ゴーカートの試乗体験が無料で提供され、小学生以上であれば誰でも運転できるというルールでした。 しかし、ゴーカートの性能や操作方法についての説明や指導はほとんどなく、運転免許や経験の有無も問われませんでした。 また、ゴーカートの整備や点検も不十分で、ブレーキやアクセルの調子が悪かったという証言もあります。
  • イベントの会場は、ホテルの駐車場で、コースは白線で仮に区切られただけでした。 コースの外周には、バリアやフェンスなどの安全対策が一切なく、見物客や通行人が自由に出入りできる状態でした。 また、コースの幅や長さ、カーブの角度なども、ゴーカートの性能や安全性に配慮していなかったという指摘もあります。

まとめ

北海道森町で発生したゴーカートの暴走事故は、イベントの企画や運営における安全管理の不備が原因であると言えます。 イベント関係者の2人が業務上過失致死傷の疑いで書類送検されたのは、その責任の所在を明らかにするためです。

この事故を教訓に、今後は、ゴーカートの試乗体験イベントなどを開催する際には、十分な許可や協議、安全対策や指導などを行うことが求められます。 また、参加者や見物客も、ゴーカートの性能や操作方法、コースの状況などを把握し、安全に楽しむことが大切です。