東京都台東区の自宅で昨年3月、次女(当時4歳)に不凍液と抗精神病薬を摂取させて殺害したとして、父親の細谷健一容疑者(43)と母親の志保容疑者(37)が逮捕された事件で、警視庁が押収したパソコンやスマホの解析で、次女が亡くなるまでの1カ月間に不凍液を購入した履歴を確認していたことが19日、捜査関係者への取材で分かった。
なぜ不凍液を購入したのか?
警視庁のこれまでの解析で事件前の約1年間に、ネット通販で不凍液と抗精神病薬を複数回購入した履歴があることが分かっていた。
不凍液は、冬季に自動車の冷却水に添加する液体で、エチレングリコールという有毒物質が含まれている。抗精神病薬は、統合失調症や双極性障害などの精神疾患の治療に用いられる薬で、過剰摂取すると中枢神経や循環器系に重篤な影響を及ぼす。
捜査関係者によると、志保容疑者は逮捕前の聴取に、不凍液について「買っているとすれば私が購入した」と説明、健一容疑者は「知らない」と話していた。
しかし、警視庁は、両容疑者が共謀して次女を殺害する計画を立てていたとみており、不凍液と抗精神病薬を購入した動機や使用方法などを詳しく調べている。
次女の死亡直前には「暑い」と訴えていた
事件が発覚したのは、昨年3月23日の午後9時ごろ。細谷家の自宅から「娘が死んでいる」と119番通報があった。駆けつけた救急隊員が、次女の遺体を発見した。次女は、不凍液と抗精神病薬を摂取させられたことにより、中毒症状を起こして死亡したとみられる。
次女は、死亡直前に「暑い」と訴えていたという。不凍液中毒の症状には、発熱や嘔吐、けいれんなどがある。抗精神病薬の過剰摂取の症状には、意識障害や血圧低下、呼吸抑制などがある。両容疑者は、次女の症状を見ても救急車を呼ばなかったという。
まとめ
– 父親と母親が、次女(当時4歳)に不凍液と抗精神病薬を摂取させて殺害した事件が発生した。
– 警視庁が押収したパソコンやスマホの解析で、次女が亡くなるまでの1カ月間に不凍液を購入した履歴を確認した。
– 両親は、次女に対して虐待を繰り返しており、次女の死亡後に自殺を図ろうとしたが失敗した。
– 両親の動機は、次女の虐待が発覚するのを恐れたため、あるいは次女の存在が負担になったため、という説が有力だという。